秋元館長は直島を現代美術で世界に注目を集めさせる企画を打ち出した方でもあり、現代美術についてとても深く理解されている方です。世界にアートの人脈ネットワークを持たれている方です。今の世界のアートシーンや、今後の中国が台頭するであろうアジアのアートの状況、日本や地元金沢の状況などを分かりやすくお話されていました。金沢は工芸の町としても有名なのですが、その工芸が新幹線が開通するとどのようなことが予想がされるか、伝統については何を大切にしていかなければならないのかを考え、すでに行動も起こしていることなど、貴重な情報を多く伺うことができました。
そのなかからランダムなのですが、差し障りの無い情報としていくつか書いておきます。
・今、日本で目の話せない現代美術館をあげるとすると「森美術館」と「原美術館」、「直島」などの指摘がありました。
もちろん「21美」も押さえておきたいですね。現代美術ファンにとってはなるほどと思われるかもしれませんね。
・目標達成をするなら100%達成したからといって安心や納得をしていてはいけない。150%くらい達成してないと納得してはいけないという持論がありました。
・女性の憧れのバッグで有名なエルメスの社長は金沢のファンで何度も来沢して親交があるそうですが、エルメスのブランディングはどう行っているかと聞くと「いかにエルメスらしく無いものを排除するか」だと言う。これはエルメスとは違うと思うものは徹底して、また勇気を持って排除するということ。同じ商品を長く使って頂くようにブランドとしての流れを持ち、壊れたらいつでも修理できること。
そのためには職人を大切にし、エルメスの社長が金沢に連れてきたのは、常務やマネージメントの人間ではなく、職人頭の2人だったそうです。
・日本の伝統工芸をそのままというかいかにも日本らしく海外の世界に向けて発信しても、海外の人にはピンとこないようです。和の工芸をコンテンポラリーにすることが鍵だと考える。
日本人が考える日本らしさと海外の人が捉える日本らしさとは全く違うのだということを押さえておきたいですね。
などなどここらへんで。
ラベル:現代美術